2018年06月02日
ガードナー美術館教育ツアー
カナダのモントリオールからガードナー美術館に来た中高校生たちにツアーを行った。
モントリオールからということで、
第一言語はフランス語、第二言語が英語だそう。
ガードナー美術館での学生ツアーは、
『一方的に情報を与え続ける』という教育はしない。
Open Questionやグループでの会話を通しながら情報を入れていく。
今回はGardner Museum のGothic Roomという部屋からツアーを始めた。
今回は学生たちも英語が第二言語であったこともあり、
自分が日本人であることなども含め自己紹介をしたあと、
僕は自分はこの美術館はとても『ユニーク』だと思うと自分の感想を述べ、
生徒たちに部屋全体を見回してみてもらい
『気がつくことや思うことを一言で表すと何?』
とだけ投げかけてみた。

(Gothic Room / Isabella Gardner Museum )
例えば『部屋が暗い』という意見があった。
This room is kind of dark...
ー どうしてそんなに明るくないと感じる?(できれば言い換えも使う)
Yea true. What makes us feel this room is not well lit? ( Response with paraphrase )
ー 部屋に電気がほとんど付いてなくて、外からの光だけだから。(もう一つ深い考察と理由)
I don’t see much lights inside the room but more from window. ( observation and reasoning)
ー 実はこの美術館は全体通して自然光を使っているんだけど、それもイザベラの計画の一つだったんだよ。(美術館のライティングに関しての情報)
This museum uses natural light as a main source of light, and it was something Isabella did on purpose. (Information)
ー でもそしたら作品が見にくいんじゃない? (疑問)
But them, isn’t it not easy to see the art clearly?? (Question rised from the info)
ー この美術館の展示物は全てイザベラ本人がこの美術館の4階に住みながら、時間をかけて意図的に配置したものなんだよ。だから光の当たり具合によって部屋がどう見えるのかも分かっててやったんじゃないかな??(情報)もしそうだとすると、光の入り方と展示の仕方にも関係性があるのかもしれないよね。(鑑賞のキッカケ)
Well, Isabella lived in 4th floor of this museum and arranged every object by herself. (Info) So I assume she knew how the rooms look like with the limited light source. The light might be a hint to why she arranged objects this way.
ツアーの目的によっては、
ー 光の当たり方を意識して、自分ならこの部屋の作品をどうアレンジする?
ー この部屋で自分の一番好きな作品を、自分ならどこへ配置する?
みたいな方向に持っていくのもアリだな。。
まぁ、などど生徒たちの考えなどをもとに、
ガードナー美術館やガードナー夫人についての情報も織り交ぜていく。
これは作品にしてもしかり。
Open Question やVisual Thinking Strategy のコンセプトを元に進めていく。
ガードナー美術館の取り組みについて、日本の森美術館はインタビューで、
『Visual Thinking Strategyは意識して取り入れていません。
対話型鑑賞といっても、鑑賞は対話をしないと何も始まらない。「みんな何が見える?」「赤、青、黄・・・」といったような造形要素的な部分のやりとりではなく、その前にもっと伝えたいことがあります。どちらかといえば、目に観て取れる造形的な要素から入っていくよりも、表現されたそのものをみてとることから入っていく方法をとっている。エジュケーターが「教える」よりも作品を先に知ったものを「伝える」立場だとすると、話さなければいけないことがある』
(美術教育における美術館と中学校の連携・全博協 研究紀要 第17号 2014年)
とある。
もちろん美術館の『目的』によって取り組みは様々。
このリサーチをまとめられた方も確か結論として書いていたと思うが、
そもそも美術館教育の目的や概念が違う。
このコメントから察するには、
森美術館はおそらく“美術教育”のための教育が目的であり、
ガードナー美術館は“芸術を通した教育”が目的であり、
アクティブラーニングを目標としてる。
ただ個人的にはこのコメントからは
VTSの意図が理解されていないと感じる。
そもそもガードナー美術館でもVTSというのは教育コンセプトの基礎
として置かれているものであり、情報を伝えないのではない。
“伝え方”が違うだけ。
教育において情報は与えるタイミングが大事ということをとても意識している。
『何を』伝えたいか、だけではなく、
『どう』伝えられるか、『なぜ』伝えるのか。
その情報を与えることでどうなって欲しいのか。
『どうしたら』伝えたいことが生徒の中により残る教育ができるのか。
「赤色が多く使われている」などの一見ただ表面的な意見でも、
まずはそれが現段階で生徒が気がつくこと、説明できることであるということも理解する必要がある。
それにそれって何か間違った意見でもなければ、つまらない意見でもないじゃん?
『赤が多い』ってことはアーティストの
『色の選択や使い方』に気がついてるってことでしょ?
アーティストがなぜ赤を多く使用したのかは、
“表現したそのもの”や、感情、スタイルには繋がらないのかな?
VTSのコンセプトにおいて、意見はただ聞くのではなく、
『ファシリテート』するから意味があるのだ。

アーティストの想いや時代背景が分からないと作品が分からないのではなく、
それが目に見える形で表現されているのが作品でしょ?
だから情報よりもまずは深い鑑賞を促しているのだ。
それがVTSの基本であり、情報はそれを更に深めるためのツールとして捉えている。
対話を通し、学生たちリードで、質問ベースで行うというのは、
一方的に情報を与えるツアーよりも難しい。
グループが変われば意見も変わるし、自分の気がつかなかったことや、
答えを知らない質問もでてくる。
でも、自分の『知っていること』が全てじゃない。
だから芸術っておもしろいんじゃないのかな?
モントリオールからということで、
第一言語はフランス語、第二言語が英語だそう。
ガードナー美術館での学生ツアーは、
『一方的に情報を与え続ける』という教育はしない。
Open Questionやグループでの会話を通しながら情報を入れていく。
今回はGardner Museum のGothic Roomという部屋からツアーを始めた。
今回は学生たちも英語が第二言語であったこともあり、
自分が日本人であることなども含め自己紹介をしたあと、
僕は自分はこの美術館はとても『ユニーク』だと思うと自分の感想を述べ、
生徒たちに部屋全体を見回してみてもらい
『気がつくことや思うことを一言で表すと何?』
とだけ投げかけてみた。

(Gothic Room / Isabella Gardner Museum )
例えば『部屋が暗い』という意見があった。
This room is kind of dark...
ー どうしてそんなに明るくないと感じる?(できれば言い換えも使う)
Yea true. What makes us feel this room is not well lit? ( Response with paraphrase )
ー 部屋に電気がほとんど付いてなくて、外からの光だけだから。(もう一つ深い考察と理由)
I don’t see much lights inside the room but more from window. ( observation and reasoning)
ー 実はこの美術館は全体通して自然光を使っているんだけど、それもイザベラの計画の一つだったんだよ。(美術館のライティングに関しての情報)
This museum uses natural light as a main source of light, and it was something Isabella did on purpose. (Information)
ー でもそしたら作品が見にくいんじゃない? (疑問)
But them, isn’t it not easy to see the art clearly?? (Question rised from the info)
ー この美術館の展示物は全てイザベラ本人がこの美術館の4階に住みながら、時間をかけて意図的に配置したものなんだよ。だから光の当たり具合によって部屋がどう見えるのかも分かっててやったんじゃないかな??(情報)もしそうだとすると、光の入り方と展示の仕方にも関係性があるのかもしれないよね。(鑑賞のキッカケ)
Well, Isabella lived in 4th floor of this museum and arranged every object by herself. (Info) So I assume she knew how the rooms look like with the limited light source. The light might be a hint to why she arranged objects this way.
ツアーの目的によっては、
ー 光の当たり方を意識して、自分ならこの部屋の作品をどうアレンジする?
ー この部屋で自分の一番好きな作品を、自分ならどこへ配置する?
みたいな方向に持っていくのもアリだな。。

まぁ、などど生徒たちの考えなどをもとに、
ガードナー美術館やガードナー夫人についての情報も織り交ぜていく。
これは作品にしてもしかり。
Open Question やVisual Thinking Strategy のコンセプトを元に進めていく。
ガードナー美術館の取り組みについて、日本の森美術館はインタビューで、
『Visual Thinking Strategyは意識して取り入れていません。
対話型鑑賞といっても、鑑賞は対話をしないと何も始まらない。「みんな何が見える?」「赤、青、黄・・・」といったような造形要素的な部分のやりとりではなく、その前にもっと伝えたいことがあります。どちらかといえば、目に観て取れる造形的な要素から入っていくよりも、表現されたそのものをみてとることから入っていく方法をとっている。エジュケーターが「教える」よりも作品を先に知ったものを「伝える」立場だとすると、話さなければいけないことがある』
(美術教育における美術館と中学校の連携・全博協 研究紀要 第17号 2014年)
とある。
もちろん美術館の『目的』によって取り組みは様々。
このリサーチをまとめられた方も確か結論として書いていたと思うが、
そもそも美術館教育の目的や概念が違う。
このコメントから察するには、
森美術館はおそらく“美術教育”のための教育が目的であり、
ガードナー美術館は“芸術を通した教育”が目的であり、
アクティブラーニングを目標としてる。
ただ個人的にはこのコメントからは
VTSの意図が理解されていないと感じる。
そもそもガードナー美術館でもVTSというのは教育コンセプトの基礎
として置かれているものであり、情報を伝えないのではない。
“伝え方”が違うだけ。
教育において情報は与えるタイミングが大事ということをとても意識している。
『何を』伝えたいか、だけではなく、
『どう』伝えられるか、『なぜ』伝えるのか。
その情報を与えることでどうなって欲しいのか。
『どうしたら』伝えたいことが生徒の中により残る教育ができるのか。
「赤色が多く使われている」などの一見ただ表面的な意見でも、
まずはそれが現段階で生徒が気がつくこと、説明できることであるということも理解する必要がある。
それにそれって何か間違った意見でもなければ、つまらない意見でもないじゃん?
『赤が多い』ってことはアーティストの
『色の選択や使い方』に気がついてるってことでしょ?
アーティストがなぜ赤を多く使用したのかは、
“表現したそのもの”や、感情、スタイルには繋がらないのかな?
VTSのコンセプトにおいて、意見はただ聞くのではなく、
『ファシリテート』するから意味があるのだ。

アーティストの想いや時代背景が分からないと作品が分からないのではなく、
それが目に見える形で表現されているのが作品でしょ?
だから情報よりもまずは深い鑑賞を促しているのだ。
それがVTSの基本であり、情報はそれを更に深めるためのツールとして捉えている。
対話を通し、学生たちリードで、質問ベースで行うというのは、
一方的に情報を与えるツアーよりも難しい。
グループが変われば意見も変わるし、自分の気がつかなかったことや、
答えを知らない質問もでてくる。
でも、自分の『知っていること』が全てじゃない。
だから芸術っておもしろいんじゃないのかな?