2017年12月04日
テーマから考える
今回高校生にフォーカスを当てて授業をする中で、
ICA (Institute of Contemporary Art)からゲストスピーカーが来てくれた。
ICAはボストンにあるコンテンポラリーアート美術館で、
教育プログラムとしては特に10代、高校生へフォーカスを当てているらしい。
ボストンのパブリックスクールでも芸術の授業に関して、問題は多いよう。
生徒の40%は学校で芸術と触れる機会がないらしい。
また芸術の先生はいてクラスがあっても、
人数が少ないため実際にアートクラスを受けられる生徒にも限りがある。
更にあまり裕福でない地域になると、バレーを見に行ったり、美術館に行ったり、学校外で芸術と関わることもさらに少なくなる。そのため美術館と自分との距離もさらに広がっていってしまう。
そこでICAは、
ボストンの中でも貧困層の多いいくつかの地域に特に重心をおいてプログラムを行なっているよう。
ボストンはアメリカの中でも学術都市で教育水準は高く、経済的にも栄えてるし、桁外れのお金持ちもいっぱいいて、ボーディングスクールなどリッチな学校も多くある。僕が前回仕事で訪れた高校はもう全員がパソコンを持っていて、学校は来年からは親にiPadを準備してもらおうかどうか考えてる、みたいなことを言ってたな。
その一方で、鉛筆を買うのも大変な学校も多くあり、そういう地域は学生の退学率なども高くなる。
ボストンの中でも格差がかなり大きいという事実だ。
ICAが特に的を絞っているのはそういう背景がある。
高校生の生徒を募ってコミッティを立ち上げ、ツアーなども含め学生たちと一緒に考えてもらい、
学生たちからフィードバックをもらっている。美術館の運営の『内側』に入って貰って、自主的に考えるというものみたい。
ガードナーの場合は学校の先生たちへのトレーニングセッションも行っていて、VTSなどの色々な鑑賞方法を通して自分と作品とのコネクションを見つけることで、生徒たちに芸術を身近なものに感じてもらおうとしている。そして授業の一環として美術館を訪れてもらい、美術館という場所の考え方を柔らかくできないかなーと頑張っている。

(The Institute of Contemporary Art, Boston)
高校生への美術館教育・ツアーに関しての授業のまとめとしては、
『融通性の大切さ』
授業などもだけど、全部しっかりプラン立てたからその通りにやらなきゃ!だけでなく、その場の生徒たちの興味関心に気がつくこと。そこから引き出せることがあるのなら、自分が柔軟に対応する。
大きな目的は「プラン通りに案内を進める」ことではなく、
「この一連の経験を通して生徒がどう成長できるのか」なんだから。
『反応がない=興味がない』ではない。
美術館ツアーでも、生徒全員が目を見張って興味を示すわけはなく、
当然そっぽを向いてたり友達を話しをしだす子も出てくる。
美術館自体が多くの生徒にとっては「安心できる場所」ではない。
じっくり見てみようと言われても、近づき過ぎるなとも言われるし、高価そうなものばかり。
多くの生徒は自分とは違う世界の建物のように感じる。
「つまらないよね」だとしても、友達を話してお互いの感覚を共有することで安心を得ていたり、
アートというよくわからないことについて先生から質問がこないように避けていたり。
そのため、まずは学生たちとの『関係性作り』が大事になる。
芸術をみるのに何も『正しいも間違いもない』という共通意識を持ち、
お互いが話しやすい環境にできればベストだ。
そしてエキスパートとして話すよりも、
『自分も一緒に学んでいる』という姿勢を忘れないこと。
でもこれは高校生相手でなくても、僕は常にもっておきたいこと。
自分も学んでるんだから、失敗も含めて一緒に経験して、一緒に考えたい。
教えるというよりは『自分の経験をシェア』する感覚。
授業だって、「もっとこうするのはどう?」なんて生徒から出てくるなら歓迎だ。
もちろんただ受け入れるのではなく、どうしてそっちの方がより学べると思うのか、みんなで一緒に考たほうが楽しい。
そして、一般的に高校生くらいが特に興味を持ち出すトピックとして
『Power』と『Identity』があがった。
政治、先生と生徒、お金などのパワーバランスについて。今であれば大統領の話題など。
自己に関わることとしてはアメリカでは自分の「人種」も関わってくる。
Black lives matterや、Free speech(最近の白人主義の動き)など、
複雑な問題と自分のアイデンティティなど特に考え出す年頃みたい。

そういう『テーマ』を元に鑑賞をしてみてもいい。
例えば色んな人のポートレートを使って、『パワー』について考える。

(Thomas Howard, Earl of Arundel - Peter Paul Rubens, about 1629-1630, Isabella Gardner Museum)
ー どうしてこの人はこういう風に描いて貰ったんだろう?(“自分”ってどういう人?)
ー どういう力を持っているんだろう?(富、名声、プライド、技術,etc)
ー 絵のどこからそれがみて取れるだろう?(背景、小物、表情、衣服、etc)
ー 自分が持ちたいパワーはどのポートレートと似ている?
ー 誰かに力を貸してもらうなら、どの人?
ー これらのポートレートを、今の社会に当てはめるならどういう人たち?
などなど。もちろん質問の後には「なぜ?」「どうしてそう思う?」がついてくる。
自分が高校生の時って何考えてたんだろな。
ICA (Institute of Contemporary Art)からゲストスピーカーが来てくれた。
ICAはボストンにあるコンテンポラリーアート美術館で、
教育プログラムとしては特に10代、高校生へフォーカスを当てているらしい。
ボストンのパブリックスクールでも芸術の授業に関して、問題は多いよう。
生徒の40%は学校で芸術と触れる機会がないらしい。
また芸術の先生はいてクラスがあっても、
人数が少ないため実際にアートクラスを受けられる生徒にも限りがある。
更にあまり裕福でない地域になると、バレーを見に行ったり、美術館に行ったり、学校外で芸術と関わることもさらに少なくなる。そのため美術館と自分との距離もさらに広がっていってしまう。
そこでICAは、
ボストンの中でも貧困層の多いいくつかの地域に特に重心をおいてプログラムを行なっているよう。
ボストンはアメリカの中でも学術都市で教育水準は高く、経済的にも栄えてるし、桁外れのお金持ちもいっぱいいて、ボーディングスクールなどリッチな学校も多くある。僕が前回仕事で訪れた高校はもう全員がパソコンを持っていて、学校は来年からは親にiPadを準備してもらおうかどうか考えてる、みたいなことを言ってたな。
その一方で、鉛筆を買うのも大変な学校も多くあり、そういう地域は学生の退学率なども高くなる。
ボストンの中でも格差がかなり大きいという事実だ。
ICAが特に的を絞っているのはそういう背景がある。
高校生の生徒を募ってコミッティを立ち上げ、ツアーなども含め学生たちと一緒に考えてもらい、
学生たちからフィードバックをもらっている。美術館の運営の『内側』に入って貰って、自主的に考えるというものみたい。
ガードナーの場合は学校の先生たちへのトレーニングセッションも行っていて、VTSなどの色々な鑑賞方法を通して自分と作品とのコネクションを見つけることで、生徒たちに芸術を身近なものに感じてもらおうとしている。そして授業の一環として美術館を訪れてもらい、美術館という場所の考え方を柔らかくできないかなーと頑張っている。

(The Institute of Contemporary Art, Boston)
高校生への美術館教育・ツアーに関しての授業のまとめとしては、
『融通性の大切さ』
授業などもだけど、全部しっかりプラン立てたからその通りにやらなきゃ!だけでなく、その場の生徒たちの興味関心に気がつくこと。そこから引き出せることがあるのなら、自分が柔軟に対応する。
大きな目的は「プラン通りに案内を進める」ことではなく、
「この一連の経験を通して生徒がどう成長できるのか」なんだから。
『反応がない=興味がない』ではない。
美術館ツアーでも、生徒全員が目を見張って興味を示すわけはなく、
当然そっぽを向いてたり友達を話しをしだす子も出てくる。
美術館自体が多くの生徒にとっては「安心できる場所」ではない。
じっくり見てみようと言われても、近づき過ぎるなとも言われるし、高価そうなものばかり。
多くの生徒は自分とは違う世界の建物のように感じる。
「つまらないよね」だとしても、友達を話してお互いの感覚を共有することで安心を得ていたり、
アートというよくわからないことについて先生から質問がこないように避けていたり。
そのため、まずは学生たちとの『関係性作り』が大事になる。
芸術をみるのに何も『正しいも間違いもない』という共通意識を持ち、
お互いが話しやすい環境にできればベストだ。
そしてエキスパートとして話すよりも、
『自分も一緒に学んでいる』という姿勢を忘れないこと。
でもこれは高校生相手でなくても、僕は常にもっておきたいこと。
自分も学んでるんだから、失敗も含めて一緒に経験して、一緒に考えたい。
教えるというよりは『自分の経験をシェア』する感覚。
授業だって、「もっとこうするのはどう?」なんて生徒から出てくるなら歓迎だ。
もちろんただ受け入れるのではなく、どうしてそっちの方がより学べると思うのか、みんなで一緒に考たほうが楽しい。
そして、一般的に高校生くらいが特に興味を持ち出すトピックとして
『Power』と『Identity』があがった。
政治、先生と生徒、お金などのパワーバランスについて。今であれば大統領の話題など。
自己に関わることとしてはアメリカでは自分の「人種」も関わってくる。
Black lives matterや、Free speech(最近の白人主義の動き)など、
複雑な問題と自分のアイデンティティなど特に考え出す年頃みたい。

そういう『テーマ』を元に鑑賞をしてみてもいい。
例えば色んな人のポートレートを使って、『パワー』について考える。

(Thomas Howard, Earl of Arundel - Peter Paul Rubens, about 1629-1630, Isabella Gardner Museum)
ー どうしてこの人はこういう風に描いて貰ったんだろう?(“自分”ってどういう人?)
ー どういう力を持っているんだろう?(富、名声、プライド、技術,etc)
ー 絵のどこからそれがみて取れるだろう?(背景、小物、表情、衣服、etc)
ー 自分が持ちたいパワーはどのポートレートと似ている?
ー 誰かに力を貸してもらうなら、どの人?
ー これらのポートレートを、今の社会に当てはめるならどういう人たち?
などなど。もちろん質問の後には「なぜ?」「どうしてそう思う?」がついてくる。
自分が高校生の時って何考えてたんだろな。